久しぶりに、やらかしました…

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は、ちょっとティーンエージャーっぽすぎるかな、と思いながらも、つい面白くて買ってしまったシャツ。年齢で服装を変えるとか、「年相応に」なんて考える人は北米にはいないような気がしていたが、今日古いアメリカの映画(12人の怒れる男)を見た時に、「40代の女性だが、35歳に見えたくて着飾っている」というセリフを聞いて、苦笑してしまった。サバ読むなら5歳と言わず、せめて30歳くらい、どーんと派手にやろうよ(笑)
ちなみに、シャツに書かれているのは「選択の失敗が、面白い話を生む」とでも訳そうか。

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うちの近所に、インド料理のお店がある。よく、いいスパイスの香りがしているのだが、私達はここに入ったことが一度もなかった。理由は…インド人のお客さんが常にゼロなこと(笑)お客さんはそこそこ入っているのだが、インド人だけは見たことがない。スパイスは元々いい香りなので、おいしさのバロメータにはならない。普段から、
私「あそこは間違いなくおいしくないよね」(失礼!)
と、家族と話し、近場でインド料理を食べる時は、わざわざ一駅先の安くて美味しいところに行っている。うちは、どちらかと言えば、とてもインドに近しい気持ちを持っている。マレーシアにはインド系も多かったし、娘が行っていたマレーシアのインターナショナルスクールはインドからのインド人経営だったので、クラスメートも先生もインド系が多かった。さらに、私が一時期通っていたマレー語のクラスも、場所がインド人街にあったため、インドからのインド人が多くて、しかも素敵な人ばかりだったので、個人的にインド系の人を見るとすごくうれしくなってしまう。カナダにいるインド人の皆さんには、この一方的な親近感が通じないのがすごく残念だ(笑)

ある日、そのインド料理屋の前を通りかかったら、長ーいベンチのような椅子を捨てていた。(模様替えかな?)と思っていたら、しばらくして、小さな立て看板で、「ランチタイムのみ。シシタウーク始めました」と出しているのを見かけた。
(あれ、オーナー変わった?)と思っていたら、次は堂々と写真入りのポスターを窓に張り出していた。しかも、シャワルマとかタウークが、安い。こんな近くに中東の料理が手軽に買えるお店があったら、本当に便利だ、と思い、ちょっと気になり始めた。

そして、私の誕生日。夫が、何を食べたいか、と聞くので、
「じゃ、あそこ試してみようよ。」と家族を誘い、ついにそのレストランに足を踏み入れた。
平日なのに、結構な人が入っている。ところが、出てきたメニューがちょっと気取ったインディアンだ。え、なんで?タウークはどこに?
娘たちは、あまり気にもせずにインディアン料理メニューを読み始め、夫も、
夫「あれ、ちょっと高めだね…」なんて言っているが気にせず注文しそうだ。
え?なんでそうなる?お得な中東料理を試しにここに来たんだよね?

そうこうしていたら、お店の、どう見てもインド人っぽい、小柄な40がらみのウエイタ―(笑)が来た。

ウエイター「注文は決まったかい?」
私「あの、あそこに貼ってあるポスター、タウークとかですよね?メニューはどこにあるの?あれ食べられないんですか?」
するとインド人ウエイターのおっちゃんは、あわてていう。
ウエイター「もちろんあるよ!食べたいんならそう言ってくれれば出てくるんだから。ほらほら、これだよ。」
と、格式ばったインドメニューの上に、時々ポストに入っている写真入りチラシのような広告の紙切れを一枚持ってきて乗せる。
ん、なんかすごくやばーいこの雰囲気。こういう流れの時って、多分、食事が、不味い。
この、言い訳じみた、何とかこの場を逃げ切ろうという感じが非常にまずい気がする。(笑)先程、今まで出会ったインド人に対する好印象について書いたが、インド系の中には、憎めないけどちょっとごまかして乗り切る系のタイプが数割いることも否めない…

ところが、娘たちは元々インド料理好きだし、今から移動する気などさらさらない。むしろ、中東のメニューには見向きもしていない。
そして、夫も、ぴらぴらしたチラシがお誕生日には不似合いと思ってか、インドメニューのちゃんとしたコースっぽい方を押してくる。
誕生日の気分を壊したくない、心優しい(笑)家族の雰囲気に押され、私も今更ちょっと変な予感があるからって、場所を変えたい!と言い張るほどには、自分の疑いに自信がない。

結局、その場の雰囲気に流されて、ま、インド料理好きだし、試しに食べてみるか、ということで落ち着く。さっきよりちょっと年配の、やはり小柄な50がらみのおじちゃんが、注文を取った。何となく頼りない…
…そして、やってきた、タンドリチキンに、マトンのカレー、そしてベジのカレー。ナンに、白いご飯。

…まず、タンドリに、味がない…塩気も、ヨーグルトっ気もない。
マトンは、なんか甘い気がする…
ベジは、味が薄いプラス切り方が雑だ…
そして、極めつけにナンが、なんと甘い!初めて食べた、甘ナン(笑)菓子パンと思って食べればいいのかもしれないが、カレーに合わないこと甚だしい…心の中で数々の点点々を乗り越えて、気を取り直して食べる。

長女がベジタリアンで、お野菜の料理を頼んだが、それはデザートですか?と聞きたくなるくらい甘かった。彼女は、口に入れた瞬間、
「まずっ!」とつぶやいた。
私たち夫婦は昭和的なので(って、夫は日本人ではないけど、まあ、同年代なので)不味くても取り合えず8割は食べて、次は2度と来ない、ということに普通なる。しかし、長女は今の人で、しかもあきれるくらい正直なタイプだ。すぐにウエイターを呼んだ。

長女「すみません!あの、これすごく甘いんですけど、何とかなりませんか?」
インド人ウエイター「え?甘いの?え、でも大丈夫でしょ?(何が大丈夫なのか、このロジックは前にも聞いたことがあるけど、いまいちわからない。)いや、カナダの人は辛いの嫌いだからちょっと味調整してるんだよ。」(だからって甘さで辛さをカバーしようという発想は雑としか言いようがないけどねー)
長女「いえ、甘いので、味直してきてくれませんか?」
言いたいことは言うけど、人を溶ろかすような笑顔を持つ、我が長女(笑)。
インド人ウエイター「…わかったよ、直してくるからね。」

そして、次女はチキンブリヤニを頼んだのに、チキンでなくエビが入っている。おっちゃん、正直、想定内です。(笑)
長女が、言った方がいいよ、と次女を促しながらまたウエイターを呼ぶ。
次女「あの、私チキンブリヤニ頼んだんですけど」
インド人ウエイター「え?そうなの?まあ、エビでもいいでしょう、別に」(いやなぜ?笑それを決められるのは次女だけだろう。)
次女は、まあ、しょうがないか、という顔になったが上の子はそれを見過ごすことはできない。
長女「いえ、彼女はチキンを食べたいんですよ。チキンにしてください。」
インド人ウエイター「え、そうなの?ああ、じゃあ、替えてくるよ…」

ウエイターが去ってから、夫が一言。
夫「マレーシアでは、絶対僕はああ言わないよね。だって何入れられるかわからないからさ、奥に持って行った時にさ。」
長女「いや、大丈夫でしょ、ここはカナダだし。」
心の中で、私も夫と同じことを考えていた。昭和育ちの我慢という美徳(であり実は悪癖でもある)+マレーシアで培った猜疑心(笑)、そこが一致している変な国際カップルの私たち。(笑)

そして、ベジ料理が戻ってきたが、やっぱり甘い。長女はすでに食べることをあきらめている。
Yelpというレストランの批評サイトを開けて、この店の評価を調べ始めた(笑)

エビ、もといチキンブリヤニが戻ってきたが、見るからに、さっきのからエビを取り出して、後付けでチキンを入れた感がお皿一杯に漂っている。
下の子はそれでも割とストライクゾーンが広いので、「これも別に不味くはないけど、友達のお母さんのブリヤニの方がいいなあ」と言いながら食べている。
夫と私は、ほぼ無言で、スプーンを口に運ぶという作業を繰り返している。

…ここまで来ると、もう、なんだか可笑しみがこみあげてくるよね。
久しぶりにこんなまずいもの食べた。しかも誕生日なのにね。
なぜ、さっきがんばって河岸を変えようとしなかった、自分?(笑)もう、ただただ、この状況が可笑しい。

極めつけに、40がらみのインド人ウエイターさんの方は、何度も戻ってきては話しかけて仲良くしようとする。その発想はどこから?
インド人ウエイター「君たち、日本人?ええ、なんでここに来たの?日本の方がいいのに」(←よく言われる。が、夫はこれを言われるのが好きではない。余計なお世話だろって思うらしい。)「僕は昔、日本で勉強するはずだったんだ。いつか日本に行きたいなあ…」
彼の言葉が、不味いご飯の上をただ滑っていく(笑)彼は、私たちが不味いと思っているのを察して、場を取り繕っているのに違いない。効いてないけどね(笑)

帰り際に、この40がらみさんは、勇気ある一言を私たちに投げた。
ウエイター「(食事は)問題なかった?美味しかったですか?」
何も言わずに帰るつもりだったが、この人にも養うべき親や子がいるかもしれないと思い、やはり何もなかったことにするのをやめることにした。
私「うーん、実は私たち。インド料理が好きでよく色々なところで食べるんです。でも、ここのはなんか…他のところで食べたことがない味でした。ちょっと全部甘いかな、と思います。インド料理って、甘くないですよね、普通?」
ウエイター「そうかい?いや、カナダの人達の味に合わせてるんだけどねー。」

いやいやいや。確かに、スパイシーが苦手な人はいるけど、辛いのが嫌なら、それを砂糖でマスクしとけみたいな根性じゃ、美味しいものは作れないと思いますよ。とは、さすがに口に出さなかったけれど、お客さんが皆、1度だけ来て2度と戻って来ないことを繰り返して、なぜなんだろうと思った時に、私の言葉を思い出してくれたら、との思いで伝えた。私の役目は終わった、と思う。(笑)

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