PEQ (ケベック経験プログラム)

半年寝太郎、Rの思い出。

 

 

 

 

 

写真は、オールドポートにある教会の塔から見下ろした風景。先日、友人に誘われて博物館巡りをした日に、ついでに無料だったBIXI(レンタル自転車サービス)を乗り回してオールドポートを走った。久しぶりにアクティブな日曜日だったなぁ。

今日で無事2カ月のインターンが終わった。このインターンでもまあ色々ドラマはあったけれど、すでにどこでインターンしていたかも書いてしまったし、人物が特定されてはご迷惑なので、今はあまり書かないでおこうと思う。でも一言だけ。不出来な弟子をしっかり教育してくれたUさん、ありがとうございました!2か月間、プログラミング漬けの日々で、コーディングが夢に出てくるくらいだった。おかげで簡単なコードなら自分で組めるようになった。めでたし、めでたし。(笑)

そしてもう一つ、どうしてもこれだけは言いたかった…
私が、密かに「スカーフ王子」と呼んでいたP先生、とってもかっこいいです(笑)典型的なフランス人だよね~、いつもスカーフしていて。そろそろ暑くなってきたので、(さすがにそろそろスカーフは無理だろうなあ。スカーフ王子としてはどうするのかしら?)と楽しみにしていたら、なんとある日、ハンチング帽かぶってきた!小物がないと手持無沙汰なんだろうな。でもやっぱりかっこいいわ。(笑)

さて、今日はインターンも終了ということでもう卒業も間近になったカレッジの生活で、何となく書きそびれていた友人の話を書こうと思う。

その人、Rは、たった11人のクラスの中で、一番目立たない存在だった。クラスにはほぼ毎日遅れてきて、そして授業が終わると速攻帰ってしまう。実は私たちと同じバスの路線なのに、みんなとわいわいしながらバス停まで歩いたりはしない。その上、授業中はほとんど眠っていた。彼は中国人なのだが、なぜか他の中国人のクラスメートと群れをなさなかった。それで、彼のことは誰もよく知らなかった。
でも、わたしは興味がわくとかなりしつこく自分から声をかけるタイプなので、バス停で話しかけ続けた。そして、彼がぼちぼち話してくれたことをつなぎ合わせて、ようやく彼のことがわかってきた。
彼は、ここに来る前はアルゼンチンに住んでいて、親族と一緒にミニマーケットの事業をしていた。こちらに来て、UQAM近くの店舗を借りて友人と共同ですし屋を始めた。だから、学校の時間以外は、そこで働かないといけない。夜遅くまで働くので、学校に来てもいつも眠ってばかり。
余計なお世話とは思うのだが、クラスのほぼ全員が学校に集中すればいい環境の中で、彼だけが自分のビジネスと勉強の両立。何かの形で応援したくて、付き合いの良かったクラスメートのDをお供(笑)に、何度か彼のすし屋に行って食事をした。彼は少しづつ心を開いてくれ、実はビジネスがうまくいっていないんだ。このままだったら友人に自分のシェアを叩き売ってビジネスをあきらめると話してくれた。へえ、じゃ、私たちのすし三昧ももうすぐ終わりだね、とさらっというと彼はそうだな、と笑っていた。

9月に入った頃に、とうとうRは本当にビジネスを手放した。彼は、さっぱりした顔をして、さあ、これから勉強するかな、といった。その日から、彼は時間があると図書館に行って放課後以降の時間を過ごした。たまに付き合って一緒に行くと、プログラミングの本を読んでいる。ただそのペースが半端なく早くて、分厚いプログラミングの色気もない小さな活字だらけの本を、彼は楽しそうに何時間も読んでいた。いや、本人は読んだと言っているけど理解しきれてないんじゃない?って思っていた。700ページくらいの本を5,6日で読んでいたと思う。たまに、魯迅の本なども読んでたりして、「彼の本が好きなんだ」と笑っていた。ビジネスをやめて気持ちに余裕ができたのか、彼はよく話し、笑うようになり、そして中国人のクラスメートたちとも付き合うようになってきた。そして「実は、昔、コンピュータサイエンスを大学で勉強してたけど、親せきからアルゼンチンに誘われて、学業半ばでやめてしまったんだ。あの時続けておけばなあ…本当にこの勉強が好きだったのになあ。」という。そして、気が付くとどのクラスでもよく理解していて、特にプログラミングの授業では彼だけは先生の許可をもらって自分でプロジェクトを作って全然違う次元のものをやっていた。途中からJavascriptを使ってゲームアプリを作るのに夢中になっていた。そして、サーバーでもネットワークでも、急によくできるようになり、中国人クラスメートが彼に教えを乞うようになった。

私とは昼休みに皆がさっさと食事を掻き込み、コンピュータの前に「遊びに」戻るのをしり目に、食堂で他愛のない話をして楽しんでいた。彼は雑学が豊富で、どこの国の話でも何か自分の意見を持っていて、それが時々大げさだったりするのだが、とにかく話が面白かった。年齢も私に一番近く、人生経験や海外経験があることと、ビジネスの経験も豊富で、私と話が合った。

いつも軽口ばかり叩く相手だったが、サーバーの試験で四苦八苦していた時に、彼が、私のサーバー設定に間違いがないかを確認してくれるという。「それじゃ、やってみようか。」と私のデスクトップに向って言った時の横顔が、初めて見た彼の真剣な顔つきで、ちょっとドキッとした。その後彼はなんと1時間半もかけて私のサーバーの構築を一つ一つテストして確認してくれた。まさかここまで本気で助けてくれるとは夢にも思っていなかった。

私はインターン先を自分からアプローチして決めたが、彼には学校にプログラミングができる人、という条件で募集が来たConcordia大学のラボでプログラミングをするという話が舞い込んできた。私たちはこの話に大喜びした。始まってみると、プロジェクトを与えられてそれを自宅で構築すればいいので、大学に行くのもたまに報告をするくらい。そして彼は結局そこの教授に認めてもらい、なんとそのまま修士でコンピュータ関係の勉強をしないかと誘われたそうだ。この話がうまくまとまったらPEQのサクセスストーリーとしてもとても特別な話になると思う。思いっきり番外編ではあるけど。でも、修士の面接に受かろうが受かるまいが、あなたは私の大事な友人であることに変わりはないよ、R。そして、これからもあなたは色々な機会に恵まれて羽ばたいていく気がしている。なんてったって、寝太郎の時期からずっと彼はきっと面白いヤツに違いないと私が見込んだ人だからね(笑)

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POSTED COMMENT

  1. CG より:

    すごくいい話です!
    友情についても、またまじめな人はいつか必ずチャンスをつかむということについても。
    その人、本人ができる事に加えて教えるのも上手そうで素晴らしいです。できる人は自分が息をするように出来るから他人がどこで悩んでいるかわからなかったりしますが(長嶋監督がそのタイプだったらしいですね)、その人はそれもクリアしていますね。

    • ちえこ より:

      CGさん、ほんとは彼はちょっと長嶋タイプで、実践に強い方で職人タイプ(笑)でも、とにかく色々良く知ってるし、みんなに付き合って教えてくれてたから、中国グループは彼のこと「神」と読んでたみたい(≧∇≦)

      でも教えるって自分の知識を確認するのにすごく役に立つよね。、彼はサーバー構築のことを苦手な子らに3回通して教えたらしく、最後は達人になってた様です。

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