カナダ生活

The Pamplemousse (グレープフルーツ)

写真は、毎朝バスに乗るリオネルグロ駅の外の様子。朝の光が差していて、歯をすっかり落とした木々が寒さを余計に強く感じさせる。でも、ここの景色はなんだか落ち着く。4都会の真ん中でも自然が多く和む駅だ。写真は、毎朝バスに乗るリオネルグロ駅の外の様子。朝の光が差していて、葉をすっかり落とした木々が寒さを余計に強く感じさせる。でも、ここの景色はなんだか落ち着く。都会の真ん中でも自然が多く和む駅だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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さて、普段は少なくても毎週一回はブログに記事を投稿するようにしているのだが、なんとあっという間に、前回の投稿から一カ月が経ってしまった。何しろこの間、ほんとにとんでもないスケジュールだった…

11月初めにB2クラスがついに始まりその日から、月曜日から金曜日まで5:30-9:30pmの4時間をフランス語クラスで過ごしてきた。とても熱心なケベコワの女性なのだが、完璧主義者で、すべての間違いを直さずにはいられないタイプだ。今までのどの先生よりも熱心で真剣に教えてくれるのだが、文法、発音の矯正が厳しすぎて、クラスほぼ全員、会話のスピードが落ちた。間違えないように気を付けようとすると、流れが止まってしまうのだ。でも、生まれて初めて(笑)文法に気を付けるようになった。今多少流暢さや楽しさが停滞したとしても、この段階で正しいフランス語を意識して話すことは必要なのかもしれない。

そんな緊張感いっぱいの4時間のクラスで、私は心身ともに疲れ切っていた。しかも、なぜか先生から目の敵にされている気がしてならない。疲れているから被害妄想的になっているに違いない、とも思うのだが、何しろ、21人のクラスでペア練習をしているときに、なぜか私の声を聴き分けて間違えを直してくる。そんなに私の声がよく通るのかなあ(笑)

「なぜこのレベルになって語末の子音がサイレントだってことができてないの?etはエットじゃなくてエでしょう?それに、ここはリエゾンでしょう?第一週目から言い続けているのに、気を付けないとオーラルのテストで減点になるわよ。」って、もううんざりな顔でいう。かなり精神的に圧迫される。私は正直、このクラスに入るまでは、どのクラスでも発音だけはいいと褒められ、テキストの朗読や会話をロールプレイで読む時などに重宝されてきた。文法がだめでも私の発音は大丈夫だと変な自信を持っていたのが、B2クラスで一気に取柄なしのダメ生徒に格下げである。クラスで当てられたときに、いかに先生のうんざりした顔を見ないで済むかと緊張し、心の休まるのは20分間の休憩の時だけだ。ひょっとしたら、今までケベコワの洗礼をあまり受けてきてなかったので、ケベックの先生には私の話し方は気に入らないのか、と思い、リスニング教材はすべてケベックのものに切り替えた。前に苦手だったケベック独特の抑揚なども敢えて大げさに取り入れたりしてみた。交換レッスンのパートナーで、ベナン出身、フランスに長くいたRから、「なんでそんなに急にフランス語が下手になったの?」と驚かれた。なんでって、気を付けすぎてたどたどしいし、ところどころ妙にケベコワアクセントが入っているんだから、そりゃあ滑稽に違いない。さらに落ち込む…

一方、コンピュータの方では、サーバーのクラスの担当講師がめずらしくものすごいテストを用意する先生で、なんと2週間ぶっとおしで毎日3時間使ってネットワーク構築をする。合格ラインは80%。このテストに至るまでの勉強方法は週に2回、30分程度のサーバーの実際の設定のデモ以外、全部PDFで自習― 質問があったら聞いてとは言われているが、質問をしても講師は聞いたことのヒントになるようなことをひとこと、ふたことだけ言ってすぐに自分の席に戻ってしまうので、初心者で何から何までわからない人間にはとてもしんどかった。しかもフランス語があるからクラス時間以外に、自分で勉強する時間など取れない。

さらに私を追い込んだのが、どちらのテストも、不合格することが許されない私の状況だ。上の娘も一緒にCSQの申請に加えるためには、来年の8月くらいが私にとっての申請の締め切りとなる。クラスを取り直す時間はない。まさに絶体絶命な気分で、しかもこの冬の寒い季節が追い打ちをかけ、自分の中のネガティブな部分がどんどん大きくなっていく。

こんな時に、コンピュータのクラスメートで私よりさらにネガティブ度が強い、カンボジア出身のS君などとバスに乗り合わせると大変だ。朝っぱらから、

「今日君、落ち込んでるでしょ…?そんな顔してるよ。そういう時は僕、そういう人には話しかけないようにしてるんだ。僕もそういう時、ほっといてほしいから…」から始まりお互いに、自分の不幸自慢みたいな会話をバスの中で展開する。自分が落ち込んでいるときは彼といるのは危険すぎる(笑)会話がどんどんネガティブに流れていき、落ち込み度が増幅する。

おなじみのまっすぐな男、Dに自分の大変さを愚痴ってみたら、彼は全部聞いた後で、

「先生が発音を直してくれるのは、いいことでしょ。楽しめよ!」と一言で返してきた。彼は泣き言には付き合わないタイプだ。

それができたらこんなに苦しんでないのよ!とむかむかっとしたが、彼のいうことには一目置いているので、少し立ち止まって考えてみた。

1.先生にガミガミ直されるのがつらい… 委縮して、なおさらパフォーマンスが悪くなる。

2.B2クラスが最終的に不合格になるのが怖い… 今のクラスで学んでいることは、ケベックの文化についての講義もあり、結構面白くていい内容なのに、私のフォーカスが文法項目をどれだけ詰め込み、間違えずに話せるか、とか、いかに間違いを減らすかという、減点法対策に傾いている。先生に当てられるのがロシアンルーレットのようにコワイ。(ちなみに、先生は座っている順番で当てず、生徒の名前のカードを自作で持っていて、いつもシャッフルしてランダムに当てる。自分の番がいつ来るかがわからないので緊張の度合いが増す。ただ、これはとてもいいメソッドだと思うので、自分が講師の立場になることがあったら、いただくつもり(笑)

3.サーバーの自主勉強がうまくいっていない…多分どこか基本的な知識が欠けていて、いつまでもネットワークが通じない。先生にも見てもらったが、解決されなかった。テストの時に同じ問題が発生したらアウトである…これも自分の首を絞める結果になり、夜も寝られないほど怖い。

3については、結局Dに週末、「スカイプで教えてください、D先生!」と泣きついたら、なんと家まで教えに来てくれた。サーバーは見ないとわからないからね、だって。いい人過ぎて泣けるわ。

先生に見せても理由がわからなかった問題だったが、私のレベル(=何も知らないど素人)を熟知しているDがふと思い当たったことが見事に当たって、私のサーバー問題は彼が家に来て30分ほどで解決した。さすが、この人は言葉は少ないけど観察力が鋭いので、いざというとき本当に頼りになるのだ。といってもこれから基本的問題以外の知識を身につけないといけないので、大変には大変なのだが、とりあえず最初でつまずいていたことが解決♪

1と2についても、結局くよくよしていることがマイナスの結果を生んでいることは間違いないので、頭の中に、クヨクヨという箱があることを想像し、その箱を頭から取り出して捨てるイメージを想像してみた。今、頭からクヨクヨがなくなったので、心配なことを考えることを完全にやめた。これは、無理やりなので、そんなに思い通りにいかず、またクヨクヨが頭にこっそり戻ってきていることもあるのだが、その時には繰り返し、クヨクヨボックスを捨てるイメージを繰り返し、もう心配を頭で反芻しないことに決めた。そしてフランス語のクラスでも、何を楽しめるかを一生懸命に探し始めた。

このクラスのいいところは、文法よりも会話力の強化に重点を置いていること、そしてケベックの文化についての講義も豊富にあることだ。本当は、とっても知的に楽しめる内容なのだ。

自分の気分を完全に切り替えたこと、でも、それをDの手柄として伝えるのはなんかくやしいので、朝のバスでDと偶然乗り合わせたときに、彼に世間話でこんなことを言った。

「知ってる?12月6日はモントリオールにとっては、追悼の日なんだよ。1989年のその日にね、ある男性が、モントリオール大学の工科学生のうち、女性14人を射殺したという悲劇があったんですって。彼は入試で落ちたんだって。それで、女性は家でご飯でも作っていればいいのに、女性が入学したから自分の席がなくなったと逆恨みしたんだって。まあ、カナダでは本当に珍しい集団射殺事件だったんだけどね…でもさあ、この話、わたしフランス語のクラスで聞いたんだよね。で、10分くらいの話を聞いてるうちに、あることに思い当ってはっとしたんだ。私今、この話を、全部フランス語で聞いて、全部理解しているんだなあって!もちろんね、先生はジェスチャーもつけてとってもわかりやすいように話してくれたんだし、クラスの他の生徒たちだってみんな分かっていたと思うから、私一人が特別にすごいってわけじゃないんだよ。でもさ、今年の1月に、フランス語を何も知らなかった私がさ、今ここまで来たんだって思うと、なんかこれってすごいことじゃないかと思ってしまって…」

Dは、にっこり笑って、「おめでとう」といった。この人は、いつも的を得た返しをしてくるので、私は言葉を足して説明する必要がない。

そして、B2クラスでは、6週目に突入し、先生の予告通り、さらにテストの数が増える。週に一度のリスニングに続き、オーラルテストが先週から始まった。今週の課題は短編映画2本を見て、その内容をパートナーに説明する、というもの。

短編映画2本のうち、一本はすべてフランス語なので、細かいところが聞き取れなくて苦労したが、あらすじはつかめた。

もう一本は、ナレーションが英語だったので、内容は完全に理解できた。しかも、フランス語には英語字幕がついていた。その2本目の作品なのだが、あまりにも気にいってしまったので、フェイスブックでもシェアした。ここでもシェアしたいと思う。

FBで友人にシェアしたら、個人の写真をシェアした時よりは反応は低かったのだが、一人だけDさん(インド人、マレーシア時代のママ友、インター校のアートの先生でもある)が気に入ってくれたので、彼女とFB上で久しぶりにコメント欄で会話することになった。以下がそのやり取りの日本語訳だ。映画の紹介の代わりに、載せておく。

PEQ : (元の記事に書いたこと)フランス語クラスの課題として見たんだけど、すごくよかった!彼に何が起こったのか、私にはほんとによくわかる気がする。去年の夏に少しだけこれと重なる経験をしたから(いや、死にたくなったとかいうわけでは全然ないけど。)
コメント
Ms D :本当にインスピレーションを与えてくれるいい映画ね。気に入ったわ。
PEQ : あら、見てくれたのね。気にいってくれてうれしいわ。人は、賢い会話とか、気の利いた言葉に魅かれることが多いよね。
でも、こんな状況の時って、魂と魂でコミュニケーションしているんだと思うの。言葉の意味はあまり重要ではなくなり、それをどんなふうに言ったか、その気持ちの方が大事なんだと思う。このことについては、別で投稿しようと思っているのよ。だって、この映画に感動しちゃったから。
Ms D : PEQさん、ぜひやってみたら?
PEQ : 励ましありがとう!
Ms D : 最後に女性がフランス語で言ったことがわからなかったんだけど…助けてくれる?
PEQ : ああ、 ”La pamplemousse est sur la table? “ってところ?「グレープフルーツはテーブルの上にあります」って意味なのよ、ははは。
Ms. D :ええ、それで、それが自殺願望のあった男性の心にどう影響したのかしら?
PEQ : 私のクラスメートはこう言ったの。
「彼はグレープフルーツを彼を待っている人生の素晴らしいことの象徴と捉えたんだよ。それがテーブルの上にあるって。心配しなくても、人生はよくなるんだってね。」彼の解釈は本当に素晴らしいなあと思ったわ!実は私の解釈は違ったんだけど…
でも、これってアートを鑑賞する時と同じで、その人個人によって、このファンタジックな短編の感じ方や得るものが違っていいってことなんじゃないかな。
Ms.D : ほんと的確ね…
PEQ : 私にとっては、あの一文が意味することはあまり関係がないんじゃないかと思ったの。彼女が心の底から叫んで、それは彼の魂に直接呼びかけて、「死なないで!」って伝えたの。そして、それが彼を正気に返らせたんじゃないかと。
人生はミステリーにあふれていて、もしもその人の好奇心がまだ生きていて、その人がまだ人生にはいろんなことが待っている、そしてあなたを気にかけてくれる人がいる、と信じられたら、その人はやっていけるんだと思うの。 
Ms .D : ワオ…それは素敵ね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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